遺言書の作成をサポート

相続手続きを受任してきた中で、「遺言書さえあれば」と思う方が多くいらっしゃいます。

遺言書を作成しておかないと、相続手続きが困難に可能性が高いケースがあるのです。

本ページでは、遺言書を作成した方が良い場合や、作成上の注意点について解説します。

目次

遺言書とは

遺言書とは、自分が亡くなった後、自分の財産を誰に引き継がせるかという意思を記載した書面です。

遺言書があると、相続や遺贈は遺言書の内容に従って行われます。

ところで、遺言書は、自分の意思を書面にするものであるため、認知症などにより自分の意思表示ができなくなった後は作成できません。

なぜ遺言書を作成する必要があるのか

相続財産は、法定相続分の割合で相続人全員の共有になるのが原則です。

しかし、不動産など相続人全員で共有することが実体に合わない財産がある場合は、相続時は争いになりがちです。

そこで、自分の死後、相続人同士で自分の遺した財産を巡って争うことを防ぎ、円満相続をご希望される場合には、遺言書を作成するのが有効な方法です。

遺言書を作成した方が良い場合

これまでの事例を踏まえると、次のような場合は遺言書の作成を強くおすすめします。

1 子がいない夫婦で、配偶者に全ての遺産を相続させたい場合

例えばお子さんがいないご夫婦で、配偶者である夫がお亡くなりになった場合の相続人は、

①ご両親がこ健在でしたら、夫のご両親と妻
②夫のご両親がお亡くなりになっていて、夫の兄弟姉妹がご健在でしたら夫の兄弟姉妹と妻が相続人になります。

もし、配偶者に全ての財産を相続させるためには遺言書を作成する必要があります。

2 再婚により、新しい家族がいる場合

例えば、再婚後に子ができた場合、前婚との間の子も再婚後の子と同じ相続分を有した相続人になります。

再婚後の子や配偶者に多くの遺産を相続させたい場合は、遺言書を作成する必要があります。

3 相続人以外の人や法人に遺産を渡したい場合

相続では、相続人ではない第三者または法人に財産を相続させることができませんので、この場合は、遺言書を作成する必要があります。

4 家など特定の不動産を相続人の一人に相続させたい場合

相続財産は、民法に基づく法定相続分で分割するのが原則です。

家など特定の不動産を相続人の一人に相続させたい場合は、遺言書が必要になります。

5 生前に金銭的な援助、面倒を看てくれた相続人により多くの財産を相続させたい場合

特定の相続人に対し感謝の思いを財産を遺す方法としては、遺言書を作成がおすすめです。

遺言書には種類があります

遺言書には種類がありますので、おもな遺言書の種類とそのメリット・デメリットを解説します。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言の全文、日付、氏名を自署して作成、押印して作成します。

全文自分で書く必要がありますので、パソコンなどを使って作成することはできません。

自筆証書遺言のメリット

費用が掛からない
いつでも書き換えができる

自筆証書遺言のデメリット

遺言書の記載要件を満たさない場合は、遺言自体が無効になるおそれがあります

遺言者が法律に詳しくないと相続手続きに使用できなかったり、遺留分侵害額請求を提起されるなどのリスクがあります

遺言を紛失または遺言の存在に相続人が付かないおそれがあります

家庭裁判所で遺言書の検認手続きを行う手間がかかります
※遺言書の検認を受けずに、開封・廃棄すると罰せられることがあります

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人の面前で証人2人の立会いのもと、公証人が遺言の内容を確認し作成する遺言書です。遺言書は公証役場で長期間保存されます。

公正証書遺言のメリット

公証人が関与するため、遺言の内容が無効になる可能性が低いです
家庭裁判所での遺言書の検認手続が不要になります

公正証書遺言のデメリット

受遺者や推定相続人以外の証人2人の立会いが必要になります
遺言書に記載の財産額などに応じた数万円程度の公証手数料が必要になります

法務局の遺言書保管制度

法務局の遺言書保管制度とは、自筆証書遺言書を法務局で保管し、お亡くなりになった際には、申出時に届け出ておいた方に通知がされる制度です。

法務局の遺言書保管制度のメリット

遺言書を法務局が保管するので、紛失などの心配がありません
遺言者が亡くなると、あらかじめ届け出ておいた相続人などに通知書が届きます
家庭裁判所で遺言書の検認手続きが不要になります

法務局の遺言書保管制度のデメリット

法務局は遺言書の内容の審査は行わないので、無効な遺言が保管されている可能性があります

遺言書の保管にあたって申出書を作成し遺言者自身が法務局に提出しに行く必要があります

保管料が必要になります

通知先の方が住所を移転した際に、法務局に届出るのを忘れると通知が届きません

遺言者がお亡くなりになった際、保管されている遺言書の証明書を取得するための手続きがやや煩雑です

ポイント
遺言書はそれぞれのメリット・デメリットを踏まえて、ご自分の状況に合った作成方法を選択して構いません。

自筆証書遺言や法務局保管遺言の場合は、遺言内容によっては、裁判上の手続きが必要になるなどのリスクが高くなることに注意しましょう。

遺言書作成にあたっての注意点

遺言書の作成には、次のような点に注意して作成する必要があります。

  1. 自筆証書遺言の場合は、全文を自署し、氏名、作成日付を記載、押印する必要があります
  2. 自筆証書、公正証書遺言にかかわらず、相続人には遺言でも奪えない遺留分という相続分があります
  3. 自筆証書、公正証書遺言にかかわらず、遺言の内容によっては裁判に発展するリスクがあります

ご注意ください!
ご自身で遺言書を作成する場合には、民法などある程度の法律的知識が必要です。

自筆証書遺言を作成する場合、遺言の内容によっては、さらに相続手続きを困難にさせる可能性があります。
「〇〇にすべての財産を任せる」、「長男には相続させないで欲しい」、「○年○月吉日」などの記載は、揉める可能性が高くなります。

遺言書の作成に関するQ&A

遺言書は誰でも作成することができますか?

15歳以上の者で、意思能力があれば可能です。しかし後見開始の審判により成年被後見人となった方は作成することができません。

入所している施設や自宅でも公正証書遺言の作成をすることができますか?

はい、できます。ただし出張にかかる日当を公証人に対し別途支払う必要があります。

遺言書を書き換えたいのですが、可能ですか?

遺言書の書き換えは何度でもすることができます。
ただし、前後の遺言書の内容で矛盾する部分は、後に作成された遺言書が優先します。

前の遺言内容を全て書き換えたい場合、自筆証書は破棄します。
遺言公正証書など破棄ができない場合は、「〇年〇月付け作成の〇〇証書遺言をすべて撤回する」と、後の遺言書に記載します。

認知症なのですが、遺言することはできますか?

認知症の程度によっては遺言することはできません。遺言は判断能力が落ちる前に作成するようにしましょう。

遺言書作成に当たって、準備するものはありますか?

遺言書に記載する不動産の権利証や登記簿謄本、金融機関の通帳の写しなどを準備し、後日争いにならないよう、遺言の対象財産を正確に記載するようにしましょう。

当事務所の遺言書作成サポート

弊所では、各種遺言書の作成をサポートします。

  • 遺言書の作成にあたって、遺留分などの法的リスクについてアドバイスします。
  • 自筆証書遺言作成にあたっては、相続と遺贈、不動産、自動車、預貯金など財産の記載方法などを確認・アドバイスします。
  • 遺言公正証書作成にあたっては、公証役場の予約や公証人との遺言書の文案調整を行います。
    また、当日は証人として立会います
  • 法務局の遺言書保管制度を用いる場合は、遺言の記載用紙のご用意や、申出書の作成も行います。
    ※ご要望に応じて申出にあたって法務局に同行します。

遺言書作成サポートの費用について

当事務所の各種遺言書作成のサポート費用はつぎのとおりです。

遺言公正証書作成サポート

お客様のご意向をお伺いし、次のサポートを行います。
①「戸籍など遺言書作成に必要な書類の収集」
②「お客様の意向に基づく遺言書案の作成」
③「遺留分などのリスク等に関するリーガルチェック」
④「公証人と文案調整及び日時の予約」

費用 77,000円~+弊所で証人をご用意の場合22,000円
※遺言書の作成サポートは、遺言する財産の価格に応じて加算になります。
※遺言書に記載した財産の価額に対応した公証料及びご証人をお願いできる方がいない場合は、弊所で証人をご用意いたします

法務局の遺言書保管制度を用いた遺言書作成サポート

お客様のご意向をお伺いし、次のサポートを行います。
①「戸籍など遺言書作成に必要な書類の収集」
②「お客様の意向に基づく遺言書案の作成」
③「遺留分などのリスク等に関するリーガルチェック」
④「遺言書保管申出書の作成、添付書類の収集」
⑤「要望があれば法務局において申請の同行」

費用 55,000円~
※遺言書の作成は、遺言する財産の価格に応じて加算になります。
※法務局に保管料3,900円を別途納付する必要があります。

自筆証書遺言書作成サポート

お客様のご意向をお伺いし、次のサポートを行います
①「戸籍など遺言書作成に必要な書類の収集」
②「お客様の意向に基づく遺言書案の作成」
③「遺留分などのリスク等に関するリーガルチェック」

費用 44,000円~
※遺言書の作成は、遺言する財産の価格に応じて加算になります。

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