抵当権抹消登記手続きの流れと注意点
住宅ローンを完済したら、抵当権抹消登記申請を法務局に行う必要があります。
本ページでは、抵当権抹消登記手続きをご自身で進める方に、手続きの流れと注意点について解説します。
抵当権抹消登記手続きは
速やかに行いましょう
住宅ローンを完済すると、金融機関から抵当権抹消登記手続きに必要な書類が交付されます。
抵当権抹消登記手続きに必要な書類が交付されましたら、速やかに抵当権抹消登記手続きを進める必要があります。
なぜなら、抵当権抹消登記手続きを放置していると次のようなリスクがあるからです。
抵当権抹消登記手続きを放置した場合のリスク
- 住宅ローン完済時の金融機関が合併、解散したり、代表取締役が任期満了したりすると登記手続きが複雑になる
- 金融機関から交付された書類を紛失すると、再発行などが必要になり手続きが複雑になる
- 放置している間に、不動産の所有者がお亡くなりになった場合、抵当権抹消登記手続きをするために、相続による名義変更手続きが必要になり、登記手続きが複雑になる
抵当権抹消登記の必要書類について
抵当権抹消登記にあたっては、金融機関から交付された書類が必要になります。
金融機関から交付された書類の確認
金融機関から交付された書類に、次のものがあるか確認します。
- 銀行の代表者が委任者として記載されている委任状
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本来、登記は不動産の所有者と、金融機関で行う必要があります。
しかし、金融機関は、登記申請を行う人に委任するのが一般的であり、委任状が交付されます。
- 弁済証書または解除証書
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※弁済証書または解除証書の代わりに、抵当権設定時の金銭消費貸借契約書等に「令和◯年◯月◯日解除」という印鑑でを押してあるだけの場合もあります。
この場合は、印鑑の下に抵当権設定登記の受付年月日・受付番号の記載があるか確認を要します。
- 登記権利証又は登記識別情報
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※タイトルが「金銭消費貸借契約書や抵当権設定契約書」というタイトルで、管轄法務局の朱印が押印してある書面が登記権利証です。
※タイトルが「登記識別情報通知」となっており、「登記の目的」が「抵当権設定」と記載され、書面下部に目隠しシール又は袋とじのある薄緑色の書面が登記識別情報です。
※土地や建物の権利証ではありせんので間違えないようにしましょう。
書類の記載内容や記載漏れを確認します
書類が揃っていることを確認したら、次の点を確認します。
- 弁済証書または解除証書に記載の、「〇〇法務局〇〇支局〇年〇月〇日受付第〇〇号をもってした抵当権は…」の、〇印箇所に日付がすべて記載されているか
- 弁済証書または解除証書の「令和〇年〇月〇日弁済又は解除」の〇印箇所に日付が記載されているか
- 弁済証書または解除証書の発行日付が記載されているか
- 委任状の日付が記載されているか、また「〇〇に委任する」」の〇〇部分に自分の住所・氏名の記載があるか
- 委任状、弁済証書または解除証書の「不動産の表示」欄に、抵当権抹消する不動産が記載してあるか
これらの内容の記載がない、または判らない場合は、金融機関や法務局の相談窓口で確認することになります。
以上が終わりましたら、抵当権抹消登記の添付書類が揃いました。
抵当権抹消登記申請書を作成します
添付書類の準備ができましたら、抵当権抹消登記申請書を作成します。
法務局のホームページで、マンションまたは一戸建て用の抵当権抹消登記申請書を選び、記載例を確認しながら、物件の記載を間違えないように作成します。
※登記義務者欄を記載するにあたって、金融機関の本店・商号・会社法人等番号・代表者の氏名は、金融機関の書類で確認します。
※申請書の不動産の表示の記載は、住所の表示とは異なる場合があります。抵当権の設定契約書を見ながら記載すると、物件の記載誤りや記載漏れを防ぐことができます。
最後に、登記申請書に、土地および建物の個数×1,000円の収入印紙を貼付します(印紙に割印はしないこと)。
抵当権抹消登記申請書類をまとめます
書類の作成が終わりましたら、権利証または登記識別情報を除いて、抵当権抹消登記申請書を先頭に、すべての書類をまとめ、左側2か所をホチキス止めします。
抵当権抹消登記手続きの流れ
- 登記申請書の提出
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抵当権を抹消する不動産の所在地を管轄する法務局の窓口に持参、または郵送で申請を行います。
窓口に持参した場合、受付が完了すると、受付で登記完了予定日を教えてくれます。
※窓口に持って行った場合でも、その場で法務局職員がチェックして手続きが終了するわけではありません。
事前に説明を受けたり、確認をしてもらいたい場合は、不動産所在地を管轄する法務局に電話のうえ、登記手続き案内の予約を取る必要があります。
- 申請内容に誤りがあった場合の対応を行います
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抵当権抹消登記申請後、登記申請書や添付書類の記載などに訂正箇所があれば、完了予定日より前に、法務局の担当者から連絡がきます。
この場合、法務局に出向くなどして、訂正を行うことになる可能性が高いと思います。
なお、訂正が行われるまで、登記手続きは保留となります。
長期間放置すると却下となりますので、早めに対応する必要があります。
- 登記手続きの完了
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完了予定日までに法務局から何も連絡がなかった場合は、登記が無事完了しています。
法務局から連絡がくることは原則としてありませんので、ご注意ください。
申請書を提出した窓口へ登記が終わったことを証する登記完了証や返却を受ける書類を受領に行きます。
抵当権抹消登記申請書類作成上の注意点
- 金融機関から交付された書類に、足りないものがないか確認しましょう。
- 金融機関から交付された書類に、必要事項をきちんと記入したか確認しましょう。
- 登記申請書の不動産の表示には、登記簿謄本どうりに物件の記載がされているか確認しましょう。
- ご自身の現在の住所が引っ越しや住居表示実施により、登記簿謄本に記載されているの住所と異なる場合は、別途、住所変更の登記申請が必要になりますので注意が必要です。
- 金融機関の商号や本店が登記簿謄本に記載されている商号、本店と異なる場合は、別途、抵当権移転の登記申請や、変更証明情報が必要になりますので注意が必要です。
- 登記申請書などのひな形を参考にするにあたって、法務局以外のホームページのひな形は、記載が誤っていたり様式が古かったりする可能性がありますので注意が必要です。
抵当権抹消登記手続きを
サポートしています
抵当権抹消登記手続きをご自身で進めるにあたって、意外と注意すべき点が多く法務局で手続相談を受けても、補正なく手続きを終えるということは難しいかもしれません。
当事務所では、煩わしい登記手続きの申請を代行しています。
住所変更や、抵当権者移転等がある場合も速やかに対応いたします。
司法書士つついリーガルオフィスでは、抵当権抹消登記手続きでお困りの方に、抵当権抹消登記手続サポートいたします。
当事務所にご依頼いただいた場合のメリット
- 登記事項の調査や、煩雑な書類作成を行う必要がありません。
住所変更登記などが必要な場合も、迅速に対応します。 - ご依頼いただくと、当事務所作成の委任状に住所、氏名の記載、押印して終わりです。
あとは登記が完了するまでお待ちください。
※ご入金いただけましたら迅速に登記申請手続きを行います。
抵当権抹消登記手続きに要する費用
手続費用(抵当権1つにつき)
1万2,100円(税込み)+登録免許税(不動産の数×1,000円)
※郵送料の実費として別途3,000円必要になります
※不動産の個数が4個以上の場合は1個2,200円の追加料金がかかります。
※住所変更登記が必要となった場合は、別に1万2,100円(税込み)の手続費用+不動産の数×1000円の登録免許税がかかります。
まとめ
抵当権抹消登記書類を作成するにあたっては、注意すべき点があります。
不動産の所有者の住所や氏名が変更している場合は、抵当権抹消登記に加えて、住所変更や氏名変更の登記を申請する必要があります。
司法書士に依頼すると手続の煩わしさがなく、ご自身で手続きを進めるよりも早く登記手続きが完了します。